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電子書籍と紙の書籍

十六世紀には、ヴェネツィアの印刷業者アルドゥス・マヌティウスの素晴らしい思いつきで、小型本が作られ、書物はずっと携帯しやすいものになりました。情報を持ち歩くのにこれほど効率のいい手段が考案されたのは、私の知るかぎり、初めてです。何ギガものメモリを搭載したコンピューターでさえ電源を必要とします。紙の本にはその種の問題がありません。もう一度言いますが、書物は車輪と同じような発明品です。発明された時点で、進化しきってしまっているんです。

『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』
ウンベルト・ エーコ ジャン=クロード・ カリエール 工藤 妙子訳

この数年、本を購入するにあたっては、紙の本ではなく電子書籍を選ぶようにしていました。
学生の頃から本をこつこつと収集してきましたが、大変な量の書籍に囲まれて少し困りはじめました。
時折処分をするのですが、増える一方。
スキャナー、裁断機を使って紙の本を電子化する「自炊」もしてみましたが、さすがにやりきれなくなりました。
そんなとき、電子書籍の登場は朗報でした。
紙の本しかない出版されていないもの以外は、原則電子書籍しか買わないことにしました。
おかげで本棚は少しずつ片付いてきました。

しかし、電子書籍にもデメリットはあります。
まず、「積ん読」の効用が小さいこと。
「積ん読」とは本を買ってはみるけれど、読まないで積んでおくことです。
リアルな紙の書籍であれば、本棚やら机に置いておくことで「読まなくては」という圧迫を受け続けます。
いつか読まなくてはな、と心に引っ掛かります。
しかし電子書籍の場合、本のマテリアルとしてのオーラが小さく、買ったことすら忘れてしまう。
下手すると二度買いしそうになります(Amazonだと「購入済み」というメッセージが出るので大丈夫なのですが)。

電子書籍のデメリットのもうひとつは、売ったり貸したりができないこと。
貸すのは端末を貸せばなんとかできそうですが(したくないけど)、売却は現在の電子書籍ではたぶんできないですよね。

そこで、あらゆる本を電子書籍で買う、という原則を見直しました。
一度しか読みそうもない自己啓発書や軽い読み物は紙の本で買い、読み終わったらメルカリなどで売却する。
何度も読みそうな本や、売却しても少額にしかならない文庫、新書の類は電子書籍で買うことにしました。

しかし、何度も読みそうな本を電子書籍で購入するのも、少し不安はあります。
kindleなどのプラットフォームが永遠に続くかどうか。


私の人生よりははるかに続きそうなので、いらぬ心配だとは思いますが。

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